深圳・大人の社会科見学(1)
ネットでふと見たチームラボ高須さんの記事に昔の電子工作少年だった頃のドキドキ感を覚えて、facebookで手を上げたのが9月頃。グループに参加したもののしばらく迷っていたのですが、現職の5年勤続のリフレッシュ休暇の5日間をフルに使うことを決めて12/8-12/13まで中国・深圳へ行ってきました。
高須さんとはこの時初めてお会いしたですが、一緒に同行した人達の中にも熱い記事に同じワクワク感を感じて手を上げた人がそれなりにいたのが印象的でした。初めてお会いした高須さんはエネルギーの塊で参加者の間を飛び回っておられました。
特にグループ分けもなく、知り合いもいなかったのであちこちにおじゃましてバックグラウンドは違えども、同じ興味を持った人たちといろいろ会話する事ができ、楽しい大人の社会科見学になりました。
良いプロダクトやサービスを作れば世界中から注目されるチャンスが有るという事。モノを作る事は世界規模での競争になっているという現実。普段自分の見ている狭い業界とは違ったレベルでのモノづくりの戦いを目の当たりにしてすごく刺激を受けました。
他の人を含めた感想まとめはこちらから。
第2回 ニコ技深圳観察会 2014年12月 感想まとめ(更新中) #sz1208 :tks(高須 正和)のブロマガ - ブロマガ
以下、自分の感想をメモをもとにつらつらと書いていきます。
治安など
深センは中国で一番平均所得が高いエリアという事もあり、滞在していた福田区の中心街のあたりは夜出歩いてる人も多く、町並みが比較的綺麗なのに驚きました。中心部のエリアではゴミ拾いの人も巡回していて道端にゴミも落ちていないし、地下鉄もすごく綺麗でした。道を歩く人のスマホ率も非常に高く若い人はGalaxy, iPhone5, iPhone6...な感じであまり日本と変わらないくらいでした。
バスで郊外の工場のエリアに出ると風景は一変して「中国に来た」感がいっぱいでした。訪問した工場のあるエリアなどは入り口も警備員がガードしていて、工場と人の住んでいるビレッジ的な場所になっていました。この辺りは会社が住居を与えないといけない中国特有の事情もありそうでした。
バスの運転手さんもカーナビを持っていたのですが、GPS誤差もそれなりにあるらしく近所までは行けるようなのですが、表に明確な看板も無いのでどの建物か解らないようでした。最終的には近くまで行って現地の人に出てきてもらったりする事が多かったです。最初に「中国語話せる人同士で話す必要があるので、現地集合は無理ゲー」と言われていた意味がよく解りました。
英語ではコミュニケーションがとれません。ホテルのフロントでも通じる人が居ない時があって、宿泊客に通訳してもらったりしていました。ところが、ふと某所で漢字で書いたら話が通じて「書けば良かった良かったのか!」と最終日に気が付きました(遅。
SeedStudio
スイッチサイエンス経由でいろいろ買ったこともあったので、アメリカかヨーロッパの会社だと思っていたSeedStudioが深センにあるのを最初に知った時は驚きでした。エンジニアにとっての「あったらいいな」的な基やキットを完成品の状態で売ってくれるビジネスはどのように作られているのか、そんなところに興味がありました。
会社としては深センの地の利を活かした製造先の紹介ビジネスから始まり、製造受託、製造支援へと進んでいくビジネスモデルに感心。「作らされる」のでは無く「一緒にビジネスを作る」ところに持って行き、みんながHappyになれる。そんな事をやっている事にうらやましく、またこういうビジネスを日本でもできないのか...と考えるところがありました。
小ロットの場合は社内に工場があり一般的なパーツは常時在庫してあるので数百個程度までなら社内で製造できすようになっていて、もっと大きなロットの場合は社外で作るという流れになっていました。手ハンダのぶぶんは若い人が一生懸命ハンダ付けして作っていました。
ここのFusionPCBサービスは最小サイズだと10枚$9.99なので今度作ってみようと思っています。
後で気がついたのですが、一番最初に買ったSeedStudio製品はDSO Quadでした。液晶表示&バッテリーのついた小型ゲーム機みたいな携帯型オシロで簡易や、現場でのトラブルシューティングに非常に便利で愛用しています。発売してから2年くらいたちますが、類似のものがなかなか出てこないくらいすごいです。
金属加工工場
電池ボックスのバネを作っていたり、iPhone6っぽいケースやモバイルバッテリーっぽいケースを作っていたりしていました。電気街に行った時にここのケースやバッテリーを売っていて産直なのを実感しました。どちらかというと日本の町工場のような雰囲気を感じました。他の人に聞くと「日本の20年前と同じような感じだけど、工場の規模が違う」と。
中はかなり広く、倉庫、切断、型抜き、研磨、仕上げ、レーザー刻印まで一気にできるようになっていて、アルミ棒が一気にケースになってしまうような感じでした(全部人力ですが)。単価いくらくらいで作っているのかはわかりませんでしたけど。
出来上がっているケースは色も質も非常に良さそうでした。
PCB工場
バイオハザードのようなエレベータに乗って上がったフロアでおじさん達が魚屋のおじさんのように大きな槽にシャブジャブと基盤を液につけていました。自分にとって懐かしい匂いがしました(笑。
ここは量産用の工場なので製造した基板の抜き取りで基板を検査していました。若い工員さんがひたすらチェックをやっていました。謎だったのはNGの出た基板にテスターをあてるとコンピュータからの指示があり、パターンカットをしていたところ。あれは、良品として出荷するのためなのだろうか...。聞くのを忘れました。
この近所でいろいろな音や匂いの中で住んでいる人と、ビルの近くに駐車してあったフェラーリーにすごいギャップを感じました。
続く...
見たことやメモを書いていくだけでだらだら長くなってしまいますが続きます!