べるべる研究日誌

なんでもやる系エンジニアの日々

親として見た「はだしのゲン」

 はだしのゲンを初めて読んだのはたしか小学校の図書室だった。図書室においてあるマンガはこれとまんが日本の歴史くらいだったという理由だけで喜んで読んだ気がする。

 内容はあの独特の絵柄もあって前半の方はよく覚えている。原爆の恐ろしさや戦争の悲惨さは、本で読んだ時よりも直接ビジュアル的に頭に入って非常に記憶に残っている。修学旅行で数時間見ただけの広島の平和祈念館の展示より記憶に残っているのはまぎれも無い事実だ。

 ただこの本は後の方にになってくると描写が戦争や軍国主義批判から戦後を生き抜くためのドロドロした方向に行く。盗みやヤクザ、ヒロポンなど戦後の混乱の中で生き抜いたり脱落していったりの部分だ。正直な話、この辺は断片的にしか覚えていない。小学生の自分には刺激がきつすぎたのだろう。

 今はまだ小さいけど2人の親になった自分が、この本を親として見せたいか、推薦したいかと問われると考えてしまう。あの悲惨さを子供はどのように受け止めるかが不安だ。表現は下品や誇張してあるところも多いし、広島にいってもあんなに「〜だけぇ」とか言わないし。子供があの本を読んでギギギとかしたらやっぱり怒る気がする(自分はみんなとしてた気がするけど...)

 でも、親としてはそんな風に不安に感じても子供は勝手に読むだろう。図書室、図書館、友達の家など、きっとどこかにあるだろう。教科書の白黒写真よりもずっと記憶に残る生々しさだし、あんな刺激的なマンガは他に無い。大人としては受け取り方が不安なだけで、決して悪い本じゃないと思う。

 きっときちんと受け取れる子に成長するはず。読んだらどう思ったか教えて欲しいな。

〔コミック版〕はだしのゲン 全10巻

〔コミック版〕はだしのゲン 全10巻